斜塔で有名な「ピサのドゥオモ広場」

ピサのドゥオモ広場とは

ピサのドゥオモ広場(Campo dei Miracoli)は、イタリアのトスカーナ地方に位置するピサの中心地にあります。広場は、大聖堂(ドゥオモ)、洗礼堂、鐘楼(ピサの斜塔)、墓地(カンポサント)という4つの主要建造物で構成されており、それぞれが独自の歴史と魅力を持っています。1987年にユネスコの世界遺産に登録され、訪れる者を圧倒する美しさと壮大さを誇ります。

大聖堂(ドゥオモ)

ピサのドゥオモは、1064年に建設が始まり、ロマネスク様式の傑作とされています。外観は大理石で覆われ、白、緑、灰色のストライプが美しく配置されています。内部には、アモルフォリの巨大なモザイクや、ジョヴァンニ・ピサーノによる彫刻が施された説教壇があり、宗教的な荘厳さと芸術的な価値を同時に感じることができます。また、ガリレオ・ガリレイがここで振り子の法則を発見したとされる天井のランプも見どころの一つです。

洗礼堂

ドゥオモ広場の洗礼堂は、1153年に建設が始まりました。これはイタリア最大の洗礼堂で、ゴシックとロマネスクの建築様式が融合した美しい建物です。内部には、ニコラ・ピサーノによる説教壇があり、その精巧な彫刻は中世イタリア美術の最高峰とされています。また、音響効果が非常に優れており、内部で発生した音が長時間響き渡ることで知られています。このため、訪れる際には係員によるデモンストレーションが行われることがあり、その独特の響きを体験することができます。

ピサの斜塔(鐘楼)

ピサの斜塔は、1173年に建設が始まりましたが、地盤沈下により建設中から傾き始めました。この鐘楼は、高さ55.86メートルで、296段の階段を登ることで頂上から広場全体の美しい景色を一望できます。斜塔の傾きは、長年にわたる修復作業によって安定させられていますが、その独特な姿は訪れる者に強烈な印象を与えます。また、ピサの斜塔はガリレオが自由落下の法則を実験した場所としても有名です。

カンポサント(墓地)

カンポサントは、1278年に建設が始まり、14世紀に完成した墓地です。伝説によると、この墓地の土は、十字軍の遠征から持ち帰られた聖地エルサレムの土で覆われているとされています。内部には、美しいフレスコ画が多数描かれており、その中でも「死の勝利」や「最後の審判」は特に有名です。これらのフレスコ画は、14世紀から15世紀にかけて描かれたもので、中世の宗教観や世界観を知る貴重な資料となっています。

永遠の魅力を持つドゥオモ広場

ピサのドゥオモ広場は、その壮大な建築物と歴史的価値から、訪れる者に深い感動を与えます。大聖堂、洗礼堂、ピサの斜塔、カンポサントそれぞれが独自の魅力を持ち、広場全体が一体となって壮麗な風景を作り出しています。この場所は、イタリアの文化と歴史を体感できる貴重な遺産であり、世界中の人々に愛され続けています。訪れるたびに新たな発見と感動をもたらしてくれるドゥオモ広場は、永遠にその魅力を放ち続けることでしょう。

写真出展:株式会社LIBRIS

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